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黎明の李平をゆく 「シュプール号」




                         
   1993.12 大糸線 平岩→北小谷



スキーブームの真っ只中、鉄道各社も各地へスキー専用列車を数多く走らせていた。
その中でも、普段は気動車が数往復するだけの大糸線には、週末になると関西方面からの臨時列車が多数運転され、ロケーションのよさもあり大きな魅力であった。

年末になると、「サロンカーなにわ」も使用され、予備車総動員といった感があった。

この年の年末も「なにわシュプール号」を撮影するべく大糸線へ。
往路は早朝になり露出が厳しいため撮影場所が限られてくる。当時はまず編成を切らない事を最重要視していたため、なおさらアングルが限定された。
シャッタースピードを極限まで落とせてなおかつ編成が入る場所、ということで李平の集落で撮影する事にした。
ここなら正面がちに狙え、背景も申し分ない。まだ暗いうちに現地に到着。車内で暖をとりしばし休息。

少しづつ空が白み始め、やがて通過時刻に。案の定陽はまだ山の頂からは顔を出さないがそれも想定済み。
やがて、前後をDE10にサポートされた「サロンカーなにわ」が通過していった。

それから数年後スキーブームも去り、気が付けばスプール号も設定がなくなってしまい、大糸線の非電化区間も運転本数が徐々に減り、交換設備も根知駅以外は撤去されてしまった。
近年はキハ52が国鉄色に戻され注目を浴びるようになったが、それも今春のダイヤ改正で遂に置き換えが決まってしまった。

その気動車を求めて何度と大糸線を訪れたがその度々に思い浮かぶのは、当時の光景、「20系ハネ」「リゾート14系」「キハ181」「エーデル」それとバイパスから見え隠れする幾度も恐い思いをした旧国道であった。

置き換えまで2ヶ月余り。1カットでも多く彼らの活躍の姿をフィルムに残したいものである。